自閉症スペクトラムこぼれ話
こんにちは(*^^*)
何か自己紹介シリーズを完結させてから、一気に気が軽くなった結井です。
いやあ、ここまで書くのはしんどかった。何せ、学会の教育部で書いた実践記録を、もう一巡するような感じで書きましたからね笑
あれも結構なボリュームがあって、折伏されてから入会、現在に至るまでの4年間分の実践記録を書いたので、WordのA4で64枚まで行っちゃったんですよねw
ちなみに、この量は多分岐阜県の教育部でもぶっちぎりのトップだったそうです(・・;)
その中でもかいつまんで、もう一巡ですから、エネルギーの消費はかなり激しかったです。
でも、自己紹介シリーズという、大きな山場は越えたので、今後は気楽に更新ができるかと思います(#^.^#)
さて、今回書くのは、自閉症スペクトラムの診察について。
最近になってやっと精神医療も発達し、自閉症スペクトラムという障害が徐々に緩和できるような世の中になりつつあります。でも、まだ自閉症スペクトラムは診断が難しいし、専門的な検査もできるところは限られています。
そこで今回は、私がどうやって自閉症スペクトラムの診断を受けられたか、お話します。
まず、私がなぜ自閉症スペクトラムの検査を受けたかというと、理由は前記事の「結井はなぜ不登校に?vol.4」にあります。自己愛性パーソナリティ障害の疑いが発覚して、心理検査を受けたいと主治医に話したことがきっかけでした。
この心理検査。まず、病院によってやってくれるところと、やってくれないところがあります。
メンタルクリニックは、基本的に電話による予約制なので、電話する時に、心理検査をやってくれる病院か聞いてみるのが一番良いと思います。
その後は、予約した日に病院で初診にかかり、検査の予約とか色々取れたら良いと思います。
ちなみに結井は、その当時かかっていた病院が心理検査をやっていたので、お願いしたらすぐ検査の日時が決まりました。
検査内容は病院によって異なりますが、この時私が受けた検査は、
- バウムテスト
- ロールシャッハテスト
- AQ検査
さらに岐阜県内の専門病院では、
- PARS
- AQ検査
- WAIS―4(ウェクスラー成人知能検査第4版)を受けました。
それぞれがどんな検査なのか、簡単にご説明します。
あ、ちなみにこいつら、教員採用試験の教育心理学部門でも出る検査法だから、教員採用試験受ける人はメモ用意したほうが良いかもよ?←
まあ、実践レポとして見てください。
まずバウムテスト。
これは、心理士さんから画用紙と鉛筆をもらって、実のなっている木の絵を描くというもの。
この、木の描かれ方で性格を見ます。さらに、描いたあとで自己評価をするように指示がありますし、色々質問とかもされます。
次にロールシャッハテスト。これは教育心理学でも有名なテストです。
左右対称になっているインクのシミを見て、思うことを自由に発言し、その見え方で性格やものの考え方を見ます。
見え方について、質問もされます。
が、このバウムテストとロールシャッハテスト。受ける時にちょっと注意したいことがあります。
それは、あまりにもありのまま言うと、実はその言葉をすべて心理士さんがメモっている(その後の分析のため)ので、趣味が厨二っぽい人は質疑応答の際、かなり恥ずかしい思いをすると思います。事実確認のため、自分の発言を全て復唱されるので、自分の厨二っぽい台詞と嫌でも向き合わなければなりません。
それがかなりメンタルを削ぐと思います。
え、何でそんなこと言うのかって?私がそうだったからだよ(#・∀・)←
という自虐ネタは置いといて、次。
AQ検査。
これは、内科とかで言う問診票みたいなやつで、自閉症スペクトラムの傾向があるかないかを測るものです。
質問が色々書いてあって、その内容が自分に当てはまるものか、当てはまらないかを答えていくもの。
ちなみに、この当てはまるか、当てはまらないかという回答には、裏でそれぞれ点数がつけられており、その点数の合計が、カットオフ値という基準値とどれくらい離れているのかを見て、自閉症スペクトラムの傾向が強いか弱いかを見ます。
結井は、このAQテストの数値がカットオフ値を2倍くらい超えていたため、自閉症スペクトラムの疑いが強く出ました。
その検査結果が出たあと、自閉症スペクトラムの診断を確認するため、岐阜県にある大きな専門病院にて検査を受けました。
それが、PARS。
最初の病院で行った心理検査は、今の私だけを見て診断したので、過去から今までも自閉症スペクトラムだったのか、それとも初めから他の病気だったのか、調べる必要がありました。そこで受けました。
これもAQ検査と同じで、幼少期・思春期・現在とそれぞれ問診票があって、そこに書いてある質問が当てはまるものか、当てはまらないか、というのを親に答えてもらう検査でした。
ちなみに私は母に答えてもらいました。そして、そこで一緒に質問事項を見て答えを書いてもらうと、幼少期の私は自閉傾向が非常に強いということが分かったのです。
思春期は、無言の反抗期だったこともあって、ほとんど親と喋らなかったので測定はできませんでしたが、
かつての中高時代のことを思い出すと、自閉症スペクトラムの症状が強く出ていたのは否定できないと思います。
現在に関しては、質問内容が普通の青年期の人間に沿わないものだったので、自閉症スペクトラムの症状はあまり当てはまりませんでした。
そのPARSの結果は、幼少期の自閉傾向がぶっちぎりだったこともあって、やはり自閉症スペクトラムの傾向は高いと出ました。
そして最後の難関。
WAIS―4(ウェクスラー成人知能検査第4版)
これがね…すんごくきつい検査だった。知能検査といえば、矢田部ギルフォード式知能検査や田中ビネー知能検査など、様々なものがありますが、(教員採用試験受験者はチェックしとけよ〜頻出だぞ〜)私が受けたのはWAISでした。この検査は、非言語式と言語式という2つのジャンルの問題を解きます。
非言語式は、要はパズル問題。言語式は口頭試問でした。
このね、口頭試問がね…。めっちゃ難しい(´Д`)
心理士さんが言った言葉を逆から復唱したり、口頭で出された算数の文章題を暗算で解いたり、社会的な内容についての質問もされた。
パズルも難しかった(´-﹏-`;)
検査時間は非言語式と言語式を合わせて、大体2時間くらい。
検査が終わったあとは、これまでのことや今自分が抱えている症状、今回の検査について質疑応答する時間があり、それも終わると、すべての検査行程がやっと終わります。
全部終わった後の私は、( Д ) ゚ ゚ってなってました。
このWAISは、普段学校で行う勉強とは全く違う頭を使うので、ものすごく疲れます。
もうね、頭の中からすべての能力を絞り出したような脱力感を感じました。
あとはすべて病院の心理士さんやお医者さんに任せて、検査結果の申し渡しの日を待ちます。
ちなみに結井の検査結果は、
自閉症スペクトラムの傾向が強い。
空間認識能力が非常に悪い代わりに、聴覚による情報処理と言語知能が非常に優れているため、耳で聞いた情報を頼りに今まで生き延びていた。んだそうです。
要は、工業にありがちな「見て覚える」ができないが、傍で口頭で指導しながら手本を見せると理解できる、ということだった。
さらに、私は言葉を話す能力の発達が他の子どもよりかなり遅かったので、ボキャブラリーが少ないと思っていたのですが、ボキャブラリーはかなり豊富だったそうです。
まあ、言葉喋れなくても、こうやって長い文章を小学校の頃から書くのが大好き、しかも得意でもあったので、話が下手なぶん、文章が補っていたんだと思います。
と、まあこんな感じに自閉症スペクトラムの検査は行われました。
率直な感想を述べると、「おかしいな?」と思ったら、すぐに病院で検査してもらうのが一番良いと思います。
その病院も、大きな専門病院と繋がってる病院をおすすめします。
小さな個人経営の病院だと、こういった検査はしてくれない場合があるので、なるべく大きい専門病院の外来にあたるクリニックに行った方が、お医者さんがたくさんいるし、万が一の緊急時も対応してくれるので良いと思います。
実際、結井も今の病院に変わった後、一度、希死念慮がものすごく強く出て、過呼吸みたいな状態になったことがあります。その時、近所に住んでいた、同じ病院に通う学会員さんが、病院に電話してくれて、緊急時のホットラインみたいなのに繋げてくれ、電話で診察してもらいました。
こういったことや、色んな検査を幅広くやってくれることからも、おすすめします。
一番いけないのは、「何かおかしいけど、どうせ自分の思い込みだし、周りも普通だって言ってるから、まあいっか」と、「おかしいな?」という、自分の自分に対する疑問を放置することです。
その疑問は、解決しようとしない限り、一生つきまといますよ?
自分が周りと比較して、「何かが違う」と思った瞬間から、発達障害の疑問の渦は広がり始めます。
しかも、発達障害は病気ではないため、悪化することがありません。だから、学校や社会に出て何らかのトラブルに見舞われ、それが元で心を病んだ時に、やっと、「発達障害の疑いがあるかもしれません」となって、検査に駆けずり回ることが最近よくあると思います。
結井の場合は、教職課程の授業や教員採用試験の対策の勉強で教育心理学を学んでいたので、その知識から、自分が「発達障害なんじゃないか」と疑っても、周りや当時の主治医が「そんなの考えすぎ」「思い込み」と言ったことで、検査にこぎつけることは、転院するまで、かなり時間を要しました。
でも、検査してみると、今まで私が生きづらかった、働きづらかったのは、ほとんど自閉症スペクトラムが原因であり、私が悪かったり馬鹿だったりしたんじゃない、ということが証明されて、ものすごく気持ちが軽くなったのを覚えています。
今までの26年間、私を馬鹿にし、何か言うと騒ぎ立てたり、出る杭を打ったり、理不尽したりした人達の方が、この時ものすごく愚かに見えました。そして、今までのトラウマと闘う決意もこの時できました。
「私が悪かったんじゃない。私は馬鹿じゃなかった」
今まで自分に自信が持てなかった私には、このことが、すごく大きな自信になりました。
なので、もしこのブログを読んでいる方で「自分も発達障害なんじゃないか?」と悩んでいる人がいたら、さっさと病院に行きましょう。
お腹がひどく痛んで、「胃潰瘍なんじゃないか?」と思うのに病院に行かないのは、あまりありませんよね。
胃潰瘍と違って悪化こそしないけど、発達障害は放っておくと、どんなに転校、転職しても、周りとの溝が埋められなくて、やがて適応障害やうつ病などといった精神疾患を発症し、その治療は、完治するまで気の遠くなるような時間とお金を消費しますよ?
というのは、私自身が今現在、自閉症スペクトラムの二次被害による学校不適応や社会不適応による適応障害、また、それに伴う抑うつ状態やトラウマのフラッシュバックを発症し、休職中。抗うつ剤も飲んでいるからです。
悩んでいる時間も、友達に相談している時間も勿体無いし、さっさと検査して結果と今後の対策をお医者さんと決めてリハビリし、楽しく人生を進んでいこうじゃないですか!(*´▽`*)